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TIEアドヴァンストx1、通称TIE/x1は、標準型TIEファイターの後継機種として実験的に作られた高性能型プロトタイプ宇宙戦闘機であり、ヤヴィンの戦いの際にダース・ヴェイダーによってテストされた。
TIE/x1が大量生産されることはなかったが、この機種に投入された最新設計は後のTIE/saボマーやTIE/INインターセプターに多く引き継がれている。そしてアドヴァンストの発展はさらに継続され、最終的にはTIEアヴェンジャーやTIE/Dディフェンダーとして実を結ぶことになる。
TIEアドヴァンストx1は、ヤヴィンの戦いでダース・ヴェイダーが使用した宇宙戦闘機である。この特別機はヤヴィンの戦いからパルパティーン皇帝の死までの間に、シーナー・フリート・システムズ社の開発チームによって作られた数種類のTIEプロトタイプの1つであり、その基本設計にはヴェイダー自身も参加したと言われている。このことからも、x1プロトタイプが恐らく最も完成度の高い試作機だったことは間違いない。この機体に施された利点の多くは後のTIE/INインターセプターや、TIE/ad、すなわちTIEアヴェンジャーへと受け継がれることになった。
特別に外形が設計し直されたx1プロトタイプは機体をデュラスチール合金の装甲で覆われており、曲型ソーラー・パネルが長い後部デッキを包み込むような形で取り付けられている。動力部にはシーナー社製I-S3aソーラー・イオン化リアクターとP-s5.6ツイン・イオン・エンジンが1対搭載されており、標準型のTIE/LNスターファイターよりもはるかに強力な駆動システムを支えている。速度については初期型よりもわずかに勝っているだけだが、これは重量が増加したことと、シールド発生装置に多くのエネルギーを摂られているからである。また、x1プロトタイプはTIE/LNほどの機動性をもっていないが、耐久性についてはTIE/LNほど脆くは作られていない。
x1プロトタイプの武装は前面に取り付けられている2基のレーザー・キャノンであり、帝国軍の戦闘機としては例外的にシールド発生装置と小型のハイパードライブが搭載されていた。しかし、ハイパードライブについては航法コンピューターが10回までのジャンプにしか耐えることができなかった。
ただし、x1プロトタイプにも生命維持装置までは装備されていないため、パイロットは酸素供給システムの付いた完全装備のフライト・スーツを着用する必要があり、通常、足止めと手動パネルの付いた衝撃調整座席に縛られるような形で乗り込んでいた。
x1プロトタイプは初期に極少数が製造されたのみである。ヴェイダーはその中の1機を授かり、第1デス・スターを守るために自ら出動した。このとき実戦テストのために同行した他のパイロットたちは帝国軍でも選り抜きのエリート部隊から選ばれた2人である。こうしたテストはホスの戦いの直前まで行われ、その間はヴェイダーのスター・デストロイヤー機動艦隊をはじめとし、多くの帝国宇宙艦隊でこのプロトタイプが使用されていた。
しかし、TIEアドヴァンストx1は製造コストが非常に高く、帝国軍は大規模な生産を断念せざるを得なかった。帝国艦隊の戦術家の中には、ハイパードライブの搭載された戦闘機の導入によって、新しい大型艦船に与えられる任務が大幅に減少してしまう恐れがあることを密かに認める者もいたという。
その後、帝国軍はTIE/INインターセプターを開発し、より小さな機体にx1プロトタイプと同型の駆動システムを搭載させることに成功した。TIEインターセプターはアドヴァンストx1と比べて速度と機動性で確実に勝っており、製造コストもかなり低く抑えられている。エンドアの戦いまでに行われたTIEインターセプターの大量生産は、事実上TIEアドヴァンストx1の生産打ち切りを意味していたのだ。